2015年4月24日金曜日

17にゃん

ほっぺにチュー、耳をはむはむ、お腹に背中に顔を埋められぐりぐりされ、肉球を弄ばれ…散々イーラ様にふるもっふされた。もうお嫁にいけない…。
寝たはずなのに疲労を感じるとはこれいかに。

「ニャンコ、はい、ミルク。」

朝食の席。
どんよりしている私に、スィルがミルクを渡してくれる。
朝、起きた時にはもう、ライオットとサミュエルは居なくなっていた。
彼らは朝一で情報収集に出かけたそうだ。

「朝食を終えたら三人で教会に行きましょうね!孤児達のことを何か聞けるかもしれませんから。」

マリーシャさんは若干ハイテンションだった。イーラ様から何かもらったのかな?


***


――孤児誘拐犯とエルマ坊ちゃんを誘拐したのは同一犯である可能性が極めて高い。

その推測から、ライオット達はまずギルドに向かった。
一応、捜索依頼を受けておく。
ライオットがカウンターに向かうと、コネコ村で届けた内容への返事が来ていた。

『ケット・シーを保護せし由、大儀である。グルタニア帝国に怪しき動きこれあり。』

仰々しい文面に署名を見ると、イシュラエア王国大神殿最高司祭ヴォードとあった。

「「さ、最高司祭!?」」

グルタニア帝国とは、闇の神を奉ずる国家である。
ライオット達の属する国であり、光の神を奉ずるイシュラエア王国とはお互い牽制しあう関係であった。

署名に驚いた後、文面を読む。

曰く、グルタニア帝国の神官を国内でよく見かけるようになった。
と言っても、両国に国交はあり、またグルタニア帝国からの移住者もいるので、闇の神の神殿に出張してくる神官自体はそう珍しくは無い。ただ、いやに数が多い気がする。
探らせると、増えた神官はあちらでも狂信的な人物ばかりであり、怪しげな集会を夜な夜な行っているというものだった。
ケット・シーとなんらかの関わりがあるかも知れぬ。
重々保護して無事に連れてきて欲しい。

文面から顔を上げて、二人は顔を見合わせる。
サミュエルの顔色は少し悪いようだった。

「……そう言えば、子供を犠牲にする邪法について聞いた事があります。」

「!――なら、尚更早く子供達を捜さないと!」

しかし焦りは禁物である。腹が減っては戦は出来ぬ。
朝から何も食べていなかった二人は朝食を買い、そのままスラムに近い広場へと足を運んだ。
噴水の所で並んで座り、サンドイッチと葡萄ジュースを採る。
その間にも怪しい人間はいないかと周囲に目を配った。
と、

「ん?なんでしょうか、あれ。」

サミュエルはライオットに注意を促す。
視界に、行きかう人々の中、こちらの方へ歩いてくる気の良さそうな男。
その頭上に何か赤いものが見えた。

「なんだあれ――」

――ぶっふぉおおおお!!

その赤い文字の内容を判別した瞬間。
彼らはほぼ同時に、飲んでいた葡萄ジュースを盛大にぶちまけた。

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